天草高校SSH関西研修復活

4年ぶりの関西研修


コロナ禍で3年間途絶えていた天草高校ASⅡクラス(2年生)の関西研修が復活しました。
8月17日から18日と、今回は1泊2日の強行日程で慌ただしい研修でしたが、その同行記です。

1日目(8月17日)
前々日、台風7号の関西上陸に伴い新幹線運行乱れの影響が続いている最中での到着でした。新大阪駅には定刻に到着したのですが、構内には人が溢れていて、改札業務の混乱で在来線側への移動が遅々として進まない状態でした。
何とか在来線に乗り換えて、目的地の阪和線杉本町へ。初日の研修場所、大阪公立大学には研修予定時間に1時間遅れて到着しました。

 

大阪公立大学杉本町キャンパスの「人工光合成研究センター」が目的地です。

コロナ禍前、2019年の研修でもお世話になった研究センターで、今回も所長の天野豊教授の講義を受けました。当時は大阪市立大学でしたが、現在は大阪公立大学になっています。2022年4月、大阪市運営の大阪市立大学と大阪府運営の大阪府立大学が統合し、大阪公立大学が誕生しています。

天野先生は1時間遅れの到着にもかかわらず、丁寧な講義をしていただきました。
「カーボンニュートラルに向けた人工光合成技術の可能性」と題した講義で、まさに今の時代に即応した講義でした。講義の後は研究室を開放して、見学を許可していただきました。

国立研究法人産業技術総合研究所のHPには、人工光合成とは太陽エネルギーを化学エネルギーに直接変換し蓄積する技術であり、植物の葉緑体が行う、水と二酸化炭素を材料に酸素と糖を生産する働きが天然の光合成とすると、人が道具を使って行うので、人工光合成と呼ばれます。
植物の葉緑体で行われている太陽エネルギーを変換する仕組みの一部を模した技術のことで、第4の太陽エネルギー活用法とも言われ、水と光を原料にエネルギーや有用化学物を生み出す技術として期待されていると記されています。

天野所長を囲んで記念撮影

2日目(8月18日)
朝8時前に宿舎を出発。ラッシュアワーが少し残ったJR大阪駅から環状線、大和路快速と乗り換えて、奈良市平城山(ならやま)の大和ハウス工業株式会社の総合技術研究所を目指しました。
総合技術研究所は見学者を受け入れているのですが、この日の午前中は天草高校の貸切で、例を見ない一度に40人近くを受け入れていただき、特別に「天草高校企業研修」を設定していただきました。
最初のミーティングでは、本社経営管理本部 人材・組織開発部の池田部長様からご挨拶をいただき、更に会社概要の説明がありました。
概要では、会社の規模だけでなく、創業者の「会社は社会の公器」から連綿と続き、現在の「生きる歓びを、未来の景色に。」という顧客や社会に対する会社の姿勢についての説明には、高校生の彼らにとって新鮮で衝撃的だったと想像されます。更に研究成果の社会実装を目指す生徒たちにとって、重要な視点を学ぶものと学校では位置づけしています。
続いての研究所内見学実習は二班に別れ、「D’ミュージアム」と「本館・テクノギャラリー」で質疑応答を交えながらの研修でした。
ここでは、研究成果の社会実装の実例を学び、その提示の方法(わかりやすい伝え方)についても学びました。

D’ミュージアム:環境共生をテーマに世界の住まいや大和ハウス工業の歴史など展示物と映像がみられます。
本館・テクノギャラリー:大和ハウス工業の最新の技術や、未来を見据えて現在進めている技術が紹介されています。

人と社会が何を求めているか。技術で解決すべきこれからの社会課題は何か。
大和ハウス工業 総合技術研究所では、すべての研究者が自身に問いかけながら人・街・暮らしの価値共創グループとして、日々研究開発に取り組んでいます。そしてこれからも人々の暮らしをより良くしたいという想いのもと、新たな暮らしを共に創り、豊かな時代を共に迎えるために歩み続けています。  Two Way Communication for Future(未来のための双方向コミュニケーション)
― パンフレットから ―

最後に男女ふたりの研究員の方から短い講義がありました。
講義では研究内容の紹介だけでなく、研究者の道を選んだ理由や研究者に必要なことも話していただきました。
講義後の意見交換も、帰りの電車の時間を心配するほど活発に行われ、大変学びの多い講義で、充実した企業研修となりました。
お若い研究者に出会えたことが、自分たちの目指す将来の目標がイメージされ、更に2年後の大学受験への考え方に強く影響されたと思っています。

今回の研修に際しまして、大和ハウス工業株式会社の皆様には言葉を尽くせないほどのお世話をいただき、ただただ感謝しかありません。誠にありがとうございました。

 

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