近江路歴史ハイキング
錦繍の近江路へ
2年にも及ぶコロナ禍が収まる気配をみせ始めました。長かった自粛生活から抜け出そうと、同窓会として手始めにハイキングを企画してみました。こうした時期ですので、当然まだまだ慎重な方は大勢おられます。まず先陣を切って、もちろん感染防止対策は施してですが、集まってみました。参加人数は7名でしたが、最も行動しやすい人数でもありました。「あまたか関西」としては初めての企画でしたが、この先大人数ででも開催出来るような計画していきたいと考えています。
今回は、JR大阪駅から4名、JR大津京駅が3名の参加で、ガイド役は大津市在住の林田実さん(高19回卒)にお世話いただきました。
大津市歴史博物館
大津の歴史を知るには、大津歴史博物館の展示物を見学することが最短と林田さんに勧められたもので、まずこの博物館を訪れました。
大津は約8000年前の縄文時代に人々が住み着いて以来、歴史を重ねてきましたが、この博物館では大津の歴史と文化の調査研究と展示が行われています。展示内容には常設展示と企画展、ミニ企画展と三つに分かれています。常設展示は大津の各地域に焦点を当てて「堅田と比良山麓の村々」「比叡とその山麓」「大津百町」「近江八景」「膳所六万石」「近江大津京」と六つのテーマ展示と原始から始まる歴史年表展示がありました。
ミニ企画展は収蔵品や寄託品を中心とした小テーマの展示です。長期間展示できない資料や新収蔵資料を中心に今月は「真盛上人の六字名号と絵伝記」の展示でした。このあと訪れる西教寺を中興した真盛上人の業績をわかりやすく紹介したものでした。
企画展は大津・滋賀の文化財とともに、地域の魅力に焦点を当てたもので、幸運なことにこの日が「西教寺―大津天台真盛宗の至宝―」開催の最終日でした。西教寺は室町時代の文明18年(1486)に真盛上人によって再興され、念仏と戒律を重んじる、比叡山の中でも独特の派閥となりました。
今回は西教寺の不断念仏相続十九萬日大法会を記念して開催されたものです。寺宝ともいえる文化財の数々を見学することができました。
左の仏像は、重要文化財で平安時代の造像と考えられますが、仏様の写真撮影ができたは初めてです。
大津市歴史博物館をあとにして、京阪電車大津市役所前駅に向かいました。ここからは路面電車のような、京阪電車石山坂本線の2両連結列車に乗り、坂本比叡山口駅までのんびりと電車旅でした。
日吉大社
駅前から日吉大社へ向かう参道は見事な紅葉の並木道です。
日吉大社は全国に3800社ある日吉・日枝・山王神社の総本社です。通称山王権現とも呼ばれています。西本宮と東本宮を中心とする40万㎡の境内は国の史跡に指定されています。境内にある鳥居は独自の形式で「山王鳥居(合掌鳥居)」と呼ばれていますが、今回は中に入らなかったので見ることはできませんでした。
かつて平安京遷都の際、この地が都の表鬼門(北東)にあたることから魔除・災難除の社として、また比叡山延暦寺の護法神として由緒ある大社です。
今回は日吉大社の大鳥居前までで、右へ進路を変えて西教寺を向かいました。この間参道の紅葉を堪能することができ、この季節のハイキングの醍醐味を味わいました。
前日の天気予報では最高気温13℃とかで、防寒対策をしっかりやってきたのですが、風もなく晩秋の日差しを受けて、最高のハイキング日和となりました。一路西教寺を目指しましたが、途中坂本観光駐車場に静かな公園があり、そこで昼食をとることができました。これもハイキングの楽しみのひとつです。
西教寺
天台真盛宗の総本山で山号が戒光山、本尊は阿弥陀如来です。開基は聖徳太子という伝承もあります。室町時代、天台真盛宗の宗祖の真盛上人が入寺してから栄えました。天台宗真盛宗総本山戒光山法勝西教寺が正しい寺名だそうです。余談ですが、天台宗の三つの総本山が大津にはあります。天台宗総本山の延暦寺、天台寺門宗総本山の園城寺(三井寺)そして西教寺が天台真盛宗の総本山で、他に比べて知名度は低いですが、400寺以上の末寺を有する堂々たる総本山なのです。
元亀2年(1571)織田信長による比叡山焼討ちの際に西教寺も焼失しました。本堂は3年後に復興するのですが、焼失した旧本尊の代わりに、甲賀の浄福寺という寺から阿弥陀如来像を迎えて本尊としたようです。この阿弥陀如来像は重要文化財に指定されています。
その後近江国滋賀郡は明智光秀に与えられ、この地に坂本城を築きました。光秀と西教寺の関係は深く、寺の復興にも光秀の援助があったものと推定されています。境内には光秀の供養塔や一族の墓があります。
本坊に上がって見学したのですが、貯蔵品の数々や建物の様式、更には庭園の素晴らしさに魅せられて、あとの行程を忘れてしまいました。最初に見た大津歴史博物館展示のものを含めて、西教寺はお勧めです。
西教寺から歩いた道が素晴らしい。
林田さんお勧めの道で、彼が命名した「山の辺の道」は素敵なハイキングコースでした。遥か琵琶湖を眺めながら田舎道が続きます。
ここまででタイムオーバーになりまして、この後は、訪れる予定だった箇所を外から眺めて、次にぜひ来ようと誓った次第です。今回は歴史を学ぶことについつい時間をかけ、力を入れた感じでしたが、それでもこの日の万歩計はで28000歩を示していました。
次は、コロナ禍完全収束後に開催しますので、皆さんのご参加をお待ちします。
11月23日(祝)は天気も良く紅葉も綺麗で歴史の勉強もできて楽しいハイキングでした。
今回は初めての企画でしたが、これを機に更に参加者が増えて「あまたか関西」の会員同士の絆が更に深まっていければと思います。
今回のハイキングの近くには「かるたの聖地 大津の 近江神宮」もあるので、又、大津を訪れてみたいと思います。
来春のハイキングで皆様とお会いできるのを楽しみにしております。
第15回卒 本島 昭男
今回初めて関西地区同窓会イベントに参加させていただきました。89年に夫の転勤先から帰国し、乳飲み子を抱えてバタバタと住まいした大津京の地。思えば30余年という月日が過ぎていました。
ガイド役の林田先輩とはご近所さんだった!というご縁も。初めて訪れた西教寺、山の辺の道、燃えるような紅葉に彩られた湖西の地の美しさ、折り重なる歴史、同郷の皆様と楽しく心に刻まれた一日でした。ありがとうごさいました。
また参加させて頂きたいと思います。
11/23(祝)は、冬の訪れが早い近江地方としては絶好の行楽日和となりました。それ以降は、寒さが厳しくなったり、雨が降ったりで、青空の下でハイキングが実行できたことを何よりもうれしく思います。
参加者の皆さんには、つたない案内で、石積みの坂本の町の良さが十分伝わらなかったと思いますが、不足分は次回ということでお許しください。
私事ですが、コロナ禍が始まるまでは毎月一回「歩く会」なるもので近畿一円を歩き回っていました。コロナ禍が落ち着き、図南会としてハイキングを計画されましたら必ず参加いたしますので来春以降に企画されますことを願っております。
19回卒 林田 実