「あまたか関西」秋のハイキング
第5回「あまたか関西」ハイキング開催
近江八景巡り その1
「あまたか関西」のハイキングも5回目を迎えました。
春と秋の年2回開催ですが、今回の参加は15名、楽しい一日を賑やかに過ごすことができました。
今回は、いつもお世話いただいている高19回卒の林田実さん(大津市在住)の企画で、近江八景を順番に訪れてみようということで、手始めに石山寺(石山秋月)と瀬田の唐橋(瀬田夕照)に挑戦することにしました。
NHK大河ドラマの「光る君へ」が放映中で、主人公の紫式部に関わりのある石山寺を訪れるというタイムリーな企画でもありました。更に紅葉の名所でもあります。
歩く距離も少ないということで、足腰に自信のない方でも参加できるを謳い文句にしてみました。
「光る君へ」人気で境内は観光客でいっぱい。
観光客を当て込んだ「大河ドラマ館」なんぞ作られていて、待ち時間1時間となっていました。ハイキングメンバーにもこの「大河ドラマ館」を見学出来た方もいたようです。
´ 本堂から 硅灰石(天然記念物)
´ 多宝塔を目指して強烈な石段
石山寺は奈良時代の後期に聖武天皇の勅願により良弁僧正によって開かれたと伝えられています。
名称は石光山石山寺といい、東寺真言宗の大本山のお寺で本尊は如意輪観世音菩薩です。西国三十三ケ所観音霊場の第13番札所です。
広大な境内には寺名の由来となった硅灰石(けいかいせき)がそびえています。
国宝の多宝塔(日本最古)は源頼朝が寄進したと伝えられています。
多宝塔の隣の月見亭は近江八景のひとつ「石山秋月」のいわれであり、瀬田川を見下ろす高台にもうけられています。
本堂、多宝塔をはじめ国宝、重文が数多くあり、見どころ満載です。
紫式部が「源氏物語」の着想を得たのが石山寺と言われ、伝承では12帖「須磨」、13帖「明石」の発想得たとされ、16帖「関屋」では石山寺に詣でる光源氏が逢坂の関で空蝉と再会する場面が描かれています。
石山寺を自由散策で、予定時間に門前に集合。
この日は最初は青空でしたが、雲の動きが激しくて、日が差したり陰ったりで、しかも上空に寒気団とかで最高気温15℃以下という厳しい条件でしたが、参加者の熱気が気温を上回ったようでした。
昼食は門前の公園で、藤棚(?)の下のベンチでいただくことになりました。
石山寺に別れを告げて、次の目的地「瀬田の唐橋」に向かいます。
瀬田の唐橋は琵琶湖の南端、瀬田川に架かる橋で、全長223.7m、県道2号線で1日2万台近くの交通量があります。
京都の宇治橋、山崎橋と並んで日本三大橋(三名橋、三古橋)といわれ、近江八景で「瀬田夕照」として知られています。歴史上、瀬田橋や勢多橋、勢多大橋、勢多唐橋、瀬田の長橋とも称されてきました。
東海道・東山道(中山道)から京都へ向かうには、瀬田の唐橋が交通の要衝かつ京都防衛上の重要地であり、古来「唐橋を制する者は天下を制す」といわれました。唐橋を舞台として繰り広げられた壬申の乱、寿永の乱、承久の乱、建武の乱など、橋は昔からさまざまな戦乱に巡り合ってきました。そのため、何度も焼き落されたようです。
また、「日本書紀」など数多くの文献に登場します。松尾芭蕉も旅の途上でこの橋を俳句に詠んでいます。
五月雨に隠れぬものや瀬田の橋
瀬田の唐橋を渡って、しばらく歩くと今回の最後の訪問地「建武大社」の大鳥居が見えてきます。
近江一の宮といわれ、長い歴史と由緒を持つ古社です。祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)。
奈良時代に神崎郡建部郷(かんざきぐんたてべごう)から瀬田大野山山頂に遷され、その後、建部氏によって現在地に遷座されました。
古くから歴代朝廷の尊信が篤く、また武将たちの崇敬も深く集めました。特に平安時代末、源頼朝が平家に捕らえられて伊豆に流される途中、建部大社に立ち寄って源氏再興の祈願をし、見事にその願が叶って以来は、武運来運の神として信仰を集めました。
社殿は、日本武尊を祀る正殿と大己貴命(おおなむちのみこと)を祀る権殿が並び立ち、拝殿左右に未社が並んでいます。社宝としては、平安時代の作で日本武尊の妃といわれる木造女神像があります。境内にある石灯籠とともに重要文化財に指定されています。
近江八景
近江八景とは諸説がありますが、約500年前の室町時代に、中国湖南省にある洞庭湖の八景にちなんで、関白近衛政家が選んだ景勝だと伝えられています。また、浮世絵師安藤広重の風景画としても知られています。
今回訪れた石山、瀬田(勢多)の他に粟津、矢橋、三井、唐崎、堅田、比良があります。これから残りの六ケ所を、林田さんと相談しながら決めて行きたいと思います。何年かかるかわかりませんが、健康を維持して全部を歩き通しましょう。
近江八景
○ 石山秋月(いしやましゅうげつ) 石山寺は秋の月が特に美しいことで知られています。中秋の名月の時期に、境内や琵琶湖に映る月の光が非常に幻想的な風景を作り出します。
○ 瀬田夕照(せたのゆうしょう) 瀬田の唐橋から眺める夕日の景色は、琵琶湖を背景にして、非常に美しいものとされています。夕日が湖面を黄金色に染める瞬間は、人々に感動を与えます。
○ 粟津晴嵐(あわずのせいらん) 粟津の原は、晴れた日の朝霧が立ち込め、静かな湖面に浮かぶ朝霧の風景は、安らぎと神秘性を感じさせます。
○ 矢橋帰帆(やはしのきはん) 矢橋は、かつて琵琶湖を渡る渡し船が出ていた場所です。船が湖岸に戻る光景が印象的で、琵琶湖を渡る風や水面の揺らぎが美しい景色を作り出します。
○ 三井晩鐘(みついのばんしょう) 三井寺の夕暮れ時に鳴らされる鐘の音が、周囲の景色とともに心に響くと言われています。日本三大名鐘の一つともされ、古くから訪れる人々の心を打つ景色と音色が特徴です。
○ 唐崎夜雨(からさきのやう) 唐崎神社の境内にある松の木は、夜の雨に濡れる姿が美しいとされています。「唐崎の松」として有名で、雨音と共に静けさを感じさせる情景が魅力です。
○ 堅田落雁(かたたのらくがん) 堅田は琵琶湖の西岸に位置し、秋になると雁が飛来する風景が美しいことで知られています。夕暮れ時、湖畔に集まる雁たちが水面にその影を映す姿は、自然の美しさと季節の移ろいを感じさせます。
○ 比良暮雪(ひらぼせつ) る比良山系が冬になると雪で覆われ、その白銀の風景が非常に美しいものとされています。夕方、暮れなずむ空と雪化粧した山々のコントラストが人々を魅了します。
「あまたか関西」ハイキングの打ち上げは、恒例の懇親会です。
JR石山駅近くの居酒屋でした。最初に、先日逝去された葦原設夫顧問に献杯をして、在りし日の故人を偲びました。
この日の反省会。そしてそれぞれの想いを語り合い、次のハイキングに元気で参加することを誓いあったのです。
近江八景シリーズ第一幕が無事に終わりました。
「光る君へ」で人気沸騰の「石山寺」は紅葉の時期とあって大勢の行楽客で賑っていましたが
滞在時間が長かったので、境内自由散策で、それぞれに楽しめたのかなと、思っています。
終わってみると、当日の歩数が1万4,000歩を超えていましたので、中には、「最初と話が違う」という声が漏れ聞こえていましたが、最終打ち上げでの笑顔の写真を見る限り、許してもらえたのかな。と勝手に思っています。 19回 林田