あまたか関西 秋のハイキング

永観堂

錦秋の京都散策

毎年11月23日、勤労感謝の日は「あまたか関西・ハイキングの日」です。今年は3回目になります。
今年は、京都(蹴上・インクラインから南禅寺、永観堂、哲学の道を通って法然院、銀閣寺まで)の紅葉見学に挑戦しました。紅葉のシーズンで、しかも祝日ということで混雑は当然予想していましたが、人混みを気にしたら、再びこの紅葉の名所を見ることは出来ないからと、覚悟を決めて実施しました。

まず定番は京都駅ですが、混雑を避けてJR山科駅に集合しました。

最初の目的地、インクラインへは隣の京阪山科駅から電車で蹴上駅まで向います。

インクライン
かつて琵琶湖疎水は京都大津間を舟運ルートでしたが、一部の落差が大きいため水路にレールを敷き、台車に船を載せケーブルで引っ張り上下させるインクライン方式でした。明治24年から昭和23年まで、蹴上船溜まりと南禅寺船溜まりを結ぶ延長640メートルを運行。通過時間は10~15分だったそうです。

残されたままの線路跡は桜並木になっていて、春は見事な景観になるでしょう。
インクラインから南禅寺へは、琵琶湖疏水の分流は水路閣に繋がっていて、この流れに沿って行くと近道で、南禅寺鐘楼に行き着きます。


南禅寺
正式名称が瑞龍山 太平興国南禅禅寺といい、臨済宗南禅寺派の大本山です。日本最初の勅願禅寺であり、京都五山や鎌倉五山の上に置かれる別格として、全ての禅寺でもっとも高い格式です。本尊は釈迦如来。創建が鎌倉時代で、文化財としては「亀山天皇宸翰禅林寺御祈願文案」が国宝、三門、勅使門、絹本著色大明国師像ほかが重要文化財です。境内は国の史跡、庭園は国の名勝となっています。

南禅寺の紅葉は見事で、撮影スポットがいくつもあります。特に水路閣は重厚で素晴らしいものです。境内が広大なため、他の観光客がそれほど気にならなかったのは上出来でした。今回は拝観料が必要な方丈庭園、三門、南禅院はパスしましたが、一見の値打ちがあります。

重文の三門は、歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな!絶景かな!」という名科白を廻すことでも有名ですが、実際の三門は五右衛門の死後30年以上経った寛永5年(1628年)に、津藩主・藤堂高虎が大坂夏の陣で戦死した一門の武士たちの冥福を祈るために寄進したものだということです。
水路閣は、琵琶湖疏水の分線(蹴上以北)にある水路橋で明治21年に完成。南禅寺境内を通過するため、周辺の景観に配慮して設計された、全長93.2メートル(幅4メートル、高9メートル)レンガ、花崗岩造り、アーチ型橋脚の風格ある構造物で、京都市指定史跡です。

永観堂

南禅寺からはすぐの距離に禅林寺(永観堂)があります。
当日は特別寺宝展が開催されていて、長谷川等伯の波濤図全12幅が展示されていました。長谷川等伯は安土桃山時代 から 江戸時代 初期にかけての 絵師で、 狩野永徳 、 海北友松 、 雲谷等顔 らと並び桃山時代を代表する画人です。重要文化財である等伯の波濤図は、禅林寺方丈(釈迦堂)のふすま絵でしたが、京都国立博物館に寄託していたそうです。しかし、傷みも目立っていたことから5年かけて大修理を施し完成したものです。
永観堂は京都でも有数の紅葉の名所と言われるだけ、観光客が溢れていました。覚悟の見学でしたから、まさに錦絵の境内を堪能できました。

永観堂で知られていますが、正式には聖衆来迎山禅林寺で、浄土宗西山禅林寺派の総本山の寺院です。紅葉の名所として知られ、古くより「秋はもみじの永観堂」と言われています。本尊は阿弥陀如来で、顔を斜め後ろに向けた阿弥陀如来像は「みかえり阿弥陀」として有名です。創建が鎌倉時代で、文化財としては山越阿弥陀図、金銅蓮華文磬が国宝で、木造阿弥陀如来立像、絹本著色薬師如来像、絹本著色釈迦如来像・十大弟子像3幅他が重要文化財です。

唐門は天皇の使いが出入りするための勅使門。手前の盛り砂を踏んで勅使は身を清めて中へ進んだとされています。

紅葉を堪能した「もみじの永観堂」に別れを告げて、哲学の道に向かいました。


哲学の道
哲学の道の入り口に熊野若王子神社があります。ここでお弁当タイムでした。ありがたいことに、境内にテントと縁台が用意されていて、ご自由に使ってくださいとのことでした。
哲学の道は、熊野若王子神社前の冷泉通若王子橋を南端として始まり、東山山麓の琵琶湖疏水に沿って銀閣寺西の今出川通銀閣寺橋を北端として続く約1.5kmの散歩道です。
もともと、1890年(明治23年)に琵琶湖疏水が完成した際に、管理用道路として設置された道です。明治の頃、文人が多く住むようになり「文人の道」と称されていたようです。その後、京都大学の哲学者西田幾多郎を始め、その弟子の田辺元、三木清らが思索にふけりながら歩んだことから、「哲学の小径」と呼ばれるようになったといわれています。1972年保存運動の中で「哲学の道」と決まったようです。
「日本の道100選」に選定されています。

哲学の道の散策は、その都度心穏やかにしてくれます。春の桜は言うに及ばず、秋は紅葉をはじめ山茶花、万両ほかいろんな花が咲いています。渡り鳥のマガモが餌を探しているのには驚きました。行き交う観光客はそこそこ多いのですが、少しも気にならないのは自然の美しさのせいでしょうか。

法然寺


蓮生(熊谷直実)が1197年に創健した浄土宗の寺院で、正式名称は極楽殿熊谷山法然寺です。熊谷直実は1184年(元暦元年)の一の谷の合戦で、16歳の平敦盛(たいらのあつもり)を討ちました。その後熊谷直実はたとえ人を殺めても念仏を唱えれば極楽浄土で往生できるという法然上人の教えに感化して出家したとも言われています。本尊は法然上人自作尊像です。

哲学の道から少しそれて、法然寺を訪ねました。茅葺、数寄屋造りの山門から、そこは別世界でした。方丈庭園は、建物内から見たときに最も美しく見えるという池泉鑑賞式庭園(浄土庭園というらしい)になっています。ゆっくり見学する時間がなかったので、改めて来てみたい古寺です。

銀閣寺
「哲学の道」北端の慈照寺は臨済宗相国寺派の寺院で、正式名は東山慈照禪寺で、本尊が釈迦如来です。創立者が室町幕府の8代将軍足利義政であることは有名です。別名銀閣寺として知られています。「古都京都の文化財」の一部としてユネスコ世界遺産として登録されていて、銀閣は、金閣、飛雲閣(西本願寺境内)とあわせて京の三閣と呼ばれています。

皆で相談の結果、銀閣寺に入るのは止めました。反省会・懇親会を全員参加でやることに決まり、市バスで京都駅に向かうことになり、バスの混雑を考えて、すぐ出発しました。こういう話はすぐ決まります。
さすがにバスの混雑と渋滞で疲れましたが、京都駅近くのオープン酒場(青空の下)で親交を温めました。

来年のハイキングは春と秋の2回開催の予定です。ぜひ皆さんも参加しませんか。楽しいですよ。

あまたか関西 秋のハイキング” に対して2件のコメントがあります。

  1. 林田 実 より:

    今回は、錦秋の京都東山界隈のほんの一部のハイキングでしたが、京都は四季を通じて見どころ満載です。個人的にも再訪の価値ありです。 
     それにしても、いつの間に写真撮影されたのか、流れるような描写は編集長ならではと、いつもながら感心させられます。深まり行く晩秋の「京都慕情」当日の楽しさは最後の写真が物語っていますね。
     ありがとうございました。                  19回卒  林田

  2. 本島 昭男 より:

    林田さん
    素敵な企画 いつもありがとうございます。
    楽しかったです♪
    関西図南会の健康増進にこれからも宜しくお願いいたします🙇

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