特報 天草高校海外研修

天高SSH マレーシア研修

天草高等学校が海外研修を実施しました。2年ASクラス10名が参加しました。
2019年1月27日から2月1日の日程で、移動日を除いて現地三日間ですが内容の濃い研修でした。
今回の研修の目的は
「地域の豊かな自然環境の中で多様な能力を身に付け、世界に飛躍する科学技術人材の育成」という研究課題達成に向けるため、そしてマレーシアの自然や科学および世界視野での貢献について学び、しかも英語力の向上と国際感覚を高めるために実習や研究発表を行うが、すべて英語で実践するとしています。
では何故海外で、しかもマレーシアなのか
天草の地から世界に飛躍するためには、「国際感覚の醸成」と「英語力の向上」が必要であり、そのためには海外に舞台を求め、英語を第2言語の国で、科学や経済が急速に発展しながらも自然環境も豊かであるマレーシアとなったようです。ASⅡでは天草の地域環境を素材として研究していることにも関連します。また身近な国であり、時差1時間も魅力があります。

マレーシア

東南アジアのマレー半島南部とボルネオ島北部を領域とする連邦立憲君主国でイギリス連邦の加盟国。タイ、インドネシア、ブルネイと国境を接しており、シンガポールとは橋で繋がっている。
人口 約3000万人弱  首都 クアラルンプール  面積 33万㎢  気候 常夏  治安 比較的安全
物価 生活に必要なものは比較的安く、外食は高額になることもある
語学留学が多く、欧米の半額ぐらいと言われている

 

1日目(1月29日)
森林センター研修

マラヤ大学付属森林研究センターで科学部生物学科の先生方の指導で埴生の観察を行い、河川や池で水質調査用の水を採取することに取り組みました。これはマレーシアの「自然を学ぶ」という位置づけです。周囲を海に囲まれ、天草と似た環境にありながら、マレーシアの森林は天草と異なる点が多い。地域によって環境要因(気温、降水量など)が森林に与える影響が異なることを学びました。針のない蜂の巣や少し毒をもつカエル、上半身と同じ大きさの葉を持つ木など、現地でしか体験できない学びとなりました。

水質調査
午後はマラヤ大学敷地内にある湖の水質踏査です。これもマレーシアの「自然を学ぶ」です。天草とマレーシアのみずは、一見透明で変わりがないように見えますが、詳細に分析すると違いが見えてきます。この違いは降水後の流路の地質によるもので、水の違いは生態系に影響を与えます。専門的に、湖の周辺にある植物を観察しながら学びました。

2日目(1月30日)
プレゼン発表
 

午前は工学部講義室で、ASⅡでの研究成果及びその成果を活用してマレーシアの発展に寄与できることの提案を英語で発表しました。マレーシアに「貢献する」という位置づけです。海水準の変動がマレーシアの地形や生態系に及ぼす程度を発表しました。また、地元の素材を使って手洗い用の石けんを作るメリット等について提案しました。

天草高校から

マレーシアでの研修生たちの研究成果発表に合わせて、天草高校視聴覚室の遠隔通信システムを利用してマラヤ大学とを結び、残留したASⅡクラスの生徒たちによって、リアルタイムでスカイプを使って天草を英語で紹介しました。

マラヤ大学の科学

午後は工学部研究室を訪れ、マラヤ大学で研究されている金属を電子顕微鏡で観察しました。これはマレーシアの「科学に学ぶ」という位置づけです。その他にも、複数の研究設備を見学しました。また、動物学博物館でみたこともない蝶を観察したり、東南アジアの生物について教えてもらいました。

マラヤ大学
1949年にマレーシア初の国立大学として誕生。国の将来を担う人材を育成し未来の国家基盤を築くことを目的に設立された由緒ある大学であり、多くの政治家や各界のリーダーを輩出。世界
大学ランキングではアジアの大学部門で上位にランクしている。設立以来質の高い教育を掲げて発展を続け現在では17の学部と研究機関を有する。クアラルンプール市内にキャンパスを持ち、恵まれた研究施設を備えている。

3日目
日本大使館

マレーシア日本大使館を訪問しました。実際にマレーシアに貢献されている日本人から、国際貢献の在り方を学びました。
石川一等書記官の案内で、マレーシアと東京を行き来し、また世界で活躍されている松坂さんの話を伺いました。松坂さんは世界的広告代理店McCANでクリエイティブディレクターでもあり、非公認大使として日本とマレーシアの文化交流の橋渡しもしておられる方です。「ボクが18歳までに教えて欲しかった8つのこと」と題して経験を踏まえて講演していただきました。

 

ルネサス研修

マレーシア研修最終プログラムです。(株)ルネサス セミコンダクターのマレーシア法人の見学実習です。これも「マレーシアに貢献する」の一環です。工場見学から始まり、現地で働く日本人の方からの講演を聞きました。マレーシア人と日本人とは、時間や仕事に対する価値観が異なるということでした。「海外に来たら必ず違いがあり、それが当たり前だと思うことがスタートラインで、しかもそれを受け入れることが大切」と話されました。

マレーシアでの貴重な研修が終わりました。素晴らしい体験だっただろうと想像できます。将来、必ず役に立ててくれることを信じています。
このマレーシア海外研修に参加した生徒さんから感想文をいただきました。


感想

今回の海外研修は、私にとって素晴らしく貴重な体験となりました。初めての海外で不安がありましたが、それを忘れるくらい、海外は魅力や学びに溢れた場所でした。異言語ばかりの中で、慣れない英語で4日間過ごしたことは刺激になり、今後の人生の大きな糧になると思います。マレーシアの自然や歴史は、今までに見たことのないものばかりで驚きました。食文化も違っていたり、考え方も大きく違っている人々と交流し、自分の視野がどんどん広がっていくのを感じました。もっともっと色々な国に行って、自分の目で見て触れて、自分の中の世界を広げていきたい。もっとたくさんの人と交流したいという思いが強くなりました。マラヤ大学でのプレゼンで新たな課題が見つかったので、ASや科学部の研究に取り入れ、深め、そして発信していきたいと強く感じました。この研修に関わった多くの人への感謝を忘れず、今後の研究を頑張りたいと思います。 【有田りこ】

私は海外研修の中で大きな心境の変化がありました。一つ目は、自分の今の現状を見直したことによって、海外で働いてみたいと思ったことです。マレーシアは人々が穏やかで、時間にルーズで、初めはとても驚いたけど、私はとても素敵なところだと思いました。マレーシアの人は夜でも歌を流して、楽しそうで、幸せそうで、人の行動に対して何もアクションを起こさないでいて、こんな人たちになりたいと思いました。ま  た、これから経済発展をしていく様子を見たり、その輪に入りたいと思いました。二つ目は、目的を決めて英語を勉強しようと思いました。今回、聞き取ることは何となくできたけど、伝えきれないことばかりだったので、英語表現の授業を頑張ります。研究では、水質調査の初めてのやり方を見たので、実際に天草で行ってみたいです。身近な課題に対して私ができることを見つけ一つ一つやっていけるといいなと思いました。今回、非日常の中、多くの発見の中で、自分・天草・日本を見つめることができてとても嬉しかったです。ありがとうございました。 【岡部ことは】

参考 SSHとは  こちらをご覧ください。

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